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執筆者の写真キンレイ心染事務局

第二十二回 駒澤大学落語くらぶOB 矢部 雅也さん

2014年に発足し、「和食“鍋焼うどん”」×「伝統芸能“落語”」の魅力を多くの方々に伝達していくことを目指した文化啓発活動である『キンレイ心染プロジェクト』の卒業生インタビューページです。

 第二十二回は駒澤大学落語くらぶより心染プロジェクトに参加した、矢部 雅也(やべ まさや)さんが登場。インタビュアーはキンレイ心染プロジェクト卒業後、プロの漫才コンビ「まんじゅう大帝国」として芸能事務所(株式会社タイタン)に所属し活躍している田中永真さん・竹内一希さんです。

矢部雅也さん

竹内:今日は「まんじゅう大帝国のおちけん部室訪問!」から卒業生インタビューに戻ります。今回の卒業生は駒澤大学落語くらぶのOBで努三亭勝虎(どさんてい かちゃとら)として活躍していた矢部 雅也さんです。

※以下文中では、勝虎(かちゃとら)君。


矢部:お二人とお話しできるなんてメチャクチャ光栄です!


竹内:僕は学生時代に何度か会っているよね?


矢部:そうですね。落研の寄席で何度かご一緒させていただいたことがあります。


竹内:そうそう。勝虎君は色んな所に顔だしていてね。


矢部:駒澤落研の外務大臣みたいな役割だったので(笑)。


田中:僕とはちょうど入れ替わりの学年になるんだね。


矢部:はい。でも、OB会みたいなので、田中さんの落語は何度か観たことがあります。


田中:その当時はなんのこっちゃわからなかったんじゃない?誰が誰とか。


矢部:そうですね(笑)。ただ先輩から噂とか評判は良く聞いていました。


竹内:勝虎君は心染プロジェクトにいつ参加したの?


矢部:2年生の時だったと思います。1年生が終わる時くらいに先輩から「こういう取り組みがあってね」っていう話しを聞いて興味を持ったのが始まりですかね。駒澤落研にも公演の依頼とかはあったんですけど、もっと一般の人に向けて落語をやりたいなと思っていたのでタイミング的にも丁度良くて。


竹内:メチャクチャ向上心があったんだね…。


田中:竹内、引くんじゃないよ(笑)!


矢部:でも、その向上心のせいで変な方向に尖っていて…。


田中:そんなもんよ(笑)。


矢部:それから徐々に丸くなっていって。


田中:そうそう。他の落研に友達が増えると好き勝手言えなくなるから丸くなっていくんだよね。それまでは言いたい放題できるけど(笑)。


矢部:「なんだあいつは!」とか(笑)。


田中:そうそう(笑)。「大したことねえな」とかね。でも、飲みに行ったりすると楽しくなっちゃってね。

矢部雅也さん

矢部:他の落研の人と寄席をやったあとの打ち上げが楽しいのは、落研あるあるですよね。


田中:悪態つこうとするんだけど、楽しかったから「またやろうね!」って言っちゃうんだよね(笑)。


矢部:終わりよければすべて良しです。


竹内:そうすると3年くらいは心染プロジェクトで頑張ってくれたってことになるのかな?


矢部:学部の授業と教職免許を取るための授業を取っていたので、合間を縫って参加していました。


竹内:教職を取っていたんだ!すごいな。


矢部:教師になるために大学に行かせてもらっていたので。


竹内:なるほどなるほど。先生を目指していたんだったら、心染プロジェクトの「出前授業」は良い経験になったんじゃない?


矢部:そうですね。結局教師にはならなかったんですけど、あの取り組みは今の仕事に就くきっかけになった部分があって、今は学童保育の先生として働いているんですけど。


竹内:あ!そうなんだ。


矢部:もちろん教育実習とかは受けて、色々考えた上で今の職を選んだんですけど、そのきっかけが「出前授業」だったのかなって、今振り返ると思っていて。

2019年2月26日 東京学芸大附属世田谷小学校での 「出前授業」にて『みそ豆』を演じ、児童にレクチャーする矢部雅也さん

田中:そんな良いこと言ってもらって大丈夫か?(笑)


矢部:今日のために用意したみたいになっちゃいますけど本当なんです(笑)。


竹内:確かに良いエピソード過ぎるかもしれない(笑)。


矢部:「出前授業」って、子ども達にうどんや大豆がテーマになっている落語を観賞してもらって、その後に鑑賞した落語をみんなで挑戦しようっていう構成じゃないですか?


竹内:うんうん。


矢部:元々教師に限らず、子どもとか人と関わる仕事をしたいとずっと思っていたのと、子ども達の可能性を広げるきっかけを与える仕事にたずさわれたらなあってずっと思っていたんですよ。なので、落語をきっかけに食育を学んでもらえる「出前授業」を通じて「あ、こういう風に子ども達と接していきたいな」って気持ちが大きくなってきて。


竹内:ああ、どちらかというと頼れるお兄さん的な?


矢部:はい。子ども達と近い距離感で接したり、同じ目線で一緒に考えることができる業種の方が良いのかなと。教育実習はやったんですけど、学校の先生とは違うアプローチを考えた時に学童保育の先生に行きつきました。学童の先生だったら落語もできるかなとも思い…。


竹内:おお!?学童保育で落語をやったの?


矢部:そうなんです。ただ落語をやるんじゃなくて「出前授業」ができたら落語と食育両方に興味を持ってもらえるかもって考えて、上司に「出前授業」の実施を持ち掛けたら「やろうやろう!」って言ってもらえて。コロナで大変な時期でしたけど、衛生対策を綿密にしっかりして。落語の上演と落語の所作を教える内容を思い出しながら企画して、やりました。

田中永真さん

竹内:すごいじゃん!「出前授業」を自分やっちゃったんだ。


田中:学童保育に勤めているっていうのもあるけど、メチャクチャ良い循環ができているね。心染プロジェクトの活動が垣根を飛び越えてる!


矢部:なので、キンレイ心染プロジェクトでの経験は今の自分の仕事に繋がっているなっていうのは最近強く思います。



竹内:子ども達への伝え方で、工夫したこととかある?


矢部:江戸時代の言い回しをどうわかりやすく伝えるかを考え直しましたね。授業の構成はそのまま使わせてもらいました(笑)。


竹内:猛烈に心染プロジェクトでの経験を活かしているなぁ。落語にはいつから興味があったの?


矢部:元々、高校で演劇をやっていて。大学でも芝居を続けたいと思っていたんですよ。で、地元の群馬から駒澤大学に進学するときに落語好きの叔母の家に居候をさせてもらっていたんですけど、その叔母に落研を勧められたのが落語を聴くきっかけですね。無事入学して、大学の演劇サークルの見学に行ったんですけど、あんまりピンと来ず。落研の見学に行ったら肌に合っている感じがしたので、入部したんです。落語を聴くのとやるのを同時に始めた感じです。


田中:そうすると、お芝居への欲求は落語で解消してたの?

矢部:そうですね。なので、卒業して落語から離れてみると芝居をもう一度やりたくなってきていますね。


竹内:芝居とかは年齢関係なくできるイメージがあるからいつでも再開できるよ。4年間の落研生活で思い入れのある落語ってある?


矢部:『蒟蒻問答』ですかね。噺の舞台が僕の地元・群馬県なので、シンパシーもあって。4年間やり続けた落語です。それこそ落研の大会でやったりもして。


竹内:大事に育てた落語だね。仕事の話しに戻ってしまうけど、学童保育へのコロナの影響ってどんな感じ?


矢部:去年は大変でした。学校は休校していたんですけど、学童には来る子ども達が数人いたので、衛生対策で遊具とかはすべて使えないけど、場所だけは解放して。ただ春休みとか夏休みは60人くらいが常にいるのが当たり前だったので寂しかったですね。今は前より、子ども達を受け入れられるようになってきたんですけど、何かあった時に履歴をたどれるよう、すべて記録を残しています。誰がどの机に座っていたとか、どこでおやつを食べていたとか。行政から下りてくる規則が度々変更されるので、それを子ども達に感じさせないように努力はしているんですが、コロナに振り回される子ども達はかわいそうです。

竹内一希さん

田中:んー、大変だなぁ。ずっと異常事態が続いているんだね。そんな中でも「出前授業」みたいな落語会を開いたりして逞しいよ。


竹内:いやぁ、素晴らしい!大したもんだ。


田中:偉そうだな、急に。


矢部:いやいや、お二人は雲の上の人ですから、偉いです!TBSラジオの「爆笑問題カーボーイ」に出られていた時は感動しました。「あれ?知ってる人だ!」みたいな。




田中:僕らもビックリよ。自分たちの声が全国に流れているって想像もできなかったからね。ラジオとかテレビとか出る時って浮足立ってるから、あんまり緊張しなくて、ライブの方が緊張するよね(笑)。


竹内:うん(笑)。


矢部:画面越しではありますが、応援しています!


田中:ありがとう。ただ応援は止めないでね!


矢部:止めないですよ!後輩一同ずっと応援します!


竹内:ありがとう!その勝虎君の後輩へなんだけど、今心染プロジェクトに参加している後輩のみんなにメッセージをお願いします。


矢部雅也さん

矢部:コロナで大変な状況が続いているけど、落語が上手くなりたい人は心染プロジェクトに参加すると良いと思っています。一般の人に落語を披露する機会を与えて下さっているので。あと参加するか迷っている人なんかは、迷わず参加すると良いですよね。他大の人は優しいですし。機会を逃さないで欲しいですね!みんな頑張れー!!


竹内:う~ん!キンレイ商品プレゼント!


矢部:ありがとうございます!いただきます!


田中:竹内が言うことじゃなのよ…。



矢部雅也さん

矢部:でもやっぱり冷凍コーナーに行くとキンレイさんの商品を探してしまいますね。今も冷凍庫にストックがあります。こんな感じで。


竹内:おお!本当だ!素晴らしい!


矢部:新商品もチェックしているので、これからもキンレイさんを追っかけさせてもらいます!このインタビューも毎月楽しみにしているので、これからも落研をよろしくお願いいたします!





矢部雅也さん



【矢部雅也さん プロフィール】

2020年に駒澤大学文学部国文学科を卒業。現在は学童保育施設に就職し活躍中。







まんじゅう大帝国


【インタビュアー:まんじゅう大帝国 略歴】

株式会社タイタン所属の漫才コンビ。2016年6月コンビ結成。2017年4月デビュー。大学時代は互いに落語研究会に所属し、学生落語の全国大会で優秀な成績を残す。2017年4月に株式会社タイタンに所属しデビュー。フジテレビ系『ENGEIグランドスラムLIVE』『ネタパレ』などに出演し注目を集める。

【その他、受賞歴等】

・国立演芸場 令和元年度「花形演芸大賞」 銀賞受賞

・フジテレビ「ENGEIグランドスラム」「ネタパレ」

・WEB CM パイロットコーポレーション フリクション「ネタ帳」

・MV ゼスプリゴールドキウイ「アゲリシャス」

・TBSラジオ「マイナビラフターナイト」月間チャンピオン(2017年6月/2018年11月)

・第3回未完成映画予告編大賞「MI-CAN男優賞」(竹内一希)

・2020年1月29日より、初のDVD「詰め合わせ」発売。

・2020年10月7日より、第一回単独公演DVD 「私の番です。たしかにね。」発売。

・竹内一希さん主演映画『実りゆく』が2020年10月9日(金)に新宿武蔵野館ほか全国の

 上映館で公開。「第63回ブルーリボン賞」作品賞にノミネート。2021年4月28日よりDVDが

 発売。

・初の単行本『笑いの学校』が2020年12月19日(土)に河出書房新社より発売。

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