2014年に発足し、「和食“鍋焼うどん”」×「伝統芸能“落語”」の魅力を多くの方々に伝達していくことを目指した文化啓発活動である『キンレイ心染プロジェクト』の卒業生インタビューページです。
第十六回は日本大学文理学部落語研究会より心染プロジェクトに参加した、高林美咲(たかばやし みさき)さんが登場。インタビュアーはキンレイ心染プロジェクト卒業後、プロの漫才コンビ「まんじゅう大帝国」として芸能事務所(株式会社タイタン)に所属し活躍している田中永真さん・竹内一希さんです。
竹内:第十六回の今回は日本大学文理学部落語研究会で飯喰亭 おはぎ(めしくいてい おはぎ)として活躍していた高林 美咲さんの登場です。(以下:おはぎちゃん)おはぎちゃんは心染プロジェクトの活動に積極的に参加していた印象があるよ。
高林:はい!「出前授業」にはたくさんお声がけいただきました。
田中:『時うどん』ができる重要人物だったのかな?
高林:そんなに大したものではないですが、『時うどん』をやる機会はたくさんいただきました。
竹内:おはぎちゃんの「出前授業」出演回数って相当なんじゃない?
高林:5回以上は参加しましたかね?「主張落語会」とかも合わせると10回くらい出演したと思います。記憶が曖昧です(笑)。
田中:すごいな!それだけ参加したら記憶もこんがらがるよ。
竹内:色んな小中学校に行ったんだね。印象に残っている「出前授業」とかある?
高林:そうですね。あ!東京学芸大学付属の小学校で開催した時の「出前授業」です。メディアの方の取材を受けたりしたので。世田谷の小学校だったかな?
田中:おお!貴重な経験だね。取材っていうのは当日の授業の様子とか?
高林:当日もそうなんですけど、事前に落語についての取材を受けました。児童にどうやって落語の魅力を伝えるのか?とか、扇子と手ぬぐいの使い方とか。地元が長野なんですけど、取材の内容が地元の新聞に大きく取り上げられていて嬉しかったです!
竹内:あら!長野のどのあたり?
高林:長野の岡谷市です。
竹内:岡谷にはこの前行ったよ。
高林:あ!映画ですか?
竹内:そうそう!僕が主演させていただいた映画「実りゆく」を岡谷市のスカラ座で上映していただいたので。
高林:観ました!(映画ポスターを掲げて)
竹内:おお!ありがとう!いやあ、すごいね。キンレイ商品を差し上げます!
田中:なんでだよ!決め台詞みたいにキンレイさんの商品を使うな!
竹内:僕の権限は一切ありません(笑)。
田中:僕も岡谷には舞台挨拶で行かせてもらったよ。綺麗な映画館だったね。えっと、話がそれたね。「出前授業」の取材を受けたんだよね。
高林:はい。心染事務局のオフィスで取材を受けました。
田中:初めての経験だったと思うけどどうだった?
高林:扇子を煙管とか箸に見立てる様をお見せして、その一つひとつを記者の方が写真に収めて、紙面ではイラストにしていただいて。
竹内:結構、ボリュームのある取材だったんだね。自分たちの活動が新聞に載るってテンション上がらない?
高林:嬉しかったです。ましてや地元の新聞に載ったので、家族にも見せることが出来ましたし。
田中:それは自慢になるね。
竹内:大学を卒業してからは、就職?
高林:卒業して地元・長野に帰って銀行に勤めていました。
竹内:銀行……。バンカーだね!?
高林:そうです。ただバンカーは辞めてしまって。
田中:そうなんだ。じゃあ、今はフリー?
高林:はい。次はコールセンターでの職に就きます。
竹内:あ、良かったね!なんで転職をしようと思ったの?
田中:土下座させられたから?
竹内:「詫びろ、詫びろ、詫びろ、詫びろ、詫びろー!!」って(笑)。
高林:そこまでハードではなかったです(笑)。叫ぶバンカーではなかったです(笑)。
田中:叫ぶ系のバンカーなんて多分いないよ!
高林:転職したのは、銀行時代に電話対応を評価されていたのでその世界に興味を持って。
田中:転職先は東京?
高林:そうです。東京に戻ってきました。
竹内:やっぱり社会に出て、大人の厳しさみたいなものは感じた?
高林:んー?暗黙の了解とかですかね?本音と建て前を読み切るのが難しいですね。あと、銀行はお金を取り扱う機関なので、情報の取り扱いは徹底するように教えられました。一つのほころびが会社の信用も傷けるし、何より自分の価値を下げるっていうのは強く教わりました。
竹内:取り扱うものに緊張感があるよね。お金とか個人情報とか。
田中:でも、電話対応を褒められたっていうのは、やっぱり落研での経験が活きた?
高林:声の通りが良いって言われたことはあります。
田中:なるほどね。確かに、声質も良いしね。電話対応のコツなんてあったりするの?
高林:なんだろう。内容にもよるんですけど、お客様の希望に添えるように確認をしっかりし、上司に報告・連絡をキチンとして真摯に対応することですかね。
竹内:結構、神経使うね。あれ、地元に帰ってたってことは実家暮らしだったの?
高林:はい。
竹内:親御さんは寂しいんじゃない?
高林:結構寂しそうでした。
竹内:そうだよねえ。無事に大学を出て、地元銀行に就職するなんて、大騒ぎしちゃうよ。
高林:そうですね。銀行は辞めて欲しくなかったみたいです。安定もしていたので。
田中:親御さんも心配だろうしね。男なら放っておけばいいんだろうけど。兄弟はいるの?
高林:姉と弟がいます。
田中:あ、そうなんだ。兄弟は皆んな地元から出たの?
高林:はい。なので、余計に寂しそうでした。
竹内:大学が東京だったから、東京に戻ることは不安じゃないのかな?そもそもなんで落研に入ったの?
高林:テレビで「笑点」を見て、落語に興味を持ったのがきっかけですかね。
竹内:わかりやすくて良いね。
高林:そこから落語を聴きだして、大学では落研に入ろうかなって。
田中:ちゃんと落語を好きになってから落研に入るって珍しいね。
高林:そうなんですか!?
竹内:結構多いんじゃない?心染プロジェクトに参加した経緯は?
高林:落研の先輩に誘っていただいて加入しました。2年生の時だったと思います。
竹内:そこから「出前授業」で大活躍ってことか。『時うどん』以外ではどんな落語をやっていたの?
高林:『時うどん』の記憶しかないかも(笑)。
田中:まあ、そうだよね。
高林:あ!でも『堪忍袋」とか『短命』とかやってました。
田中:持ちネタっていくつくらいある?
高林:15くらいですかね?『短命』は結構好きでした。
竹内:おはぎちゃんは表情が良く動くから似合うよね。黄色い着物をよく着てなかった?
高林:そうですそうです。
竹内:小柄な女の子が黄色い着物を着て、ちょこんと座って表情とか動きが大きいから、そのギャップが可笑しくて。表情が豊かな女の子って面白いのよ。「心染寄席」とかで見たのが印象に残っているよ。
高林:「心染寄席」は懐かしいですね。会場の1階で「だしがしみるわぁ~ 鍋焼うどん」の試食会をやって2階で寄席を開く構成は面白い企画でしたね。
竹内:キンレイ心染プロジェクトで大車輪の働きだったおはぎちゃんから、今の現役生もそうなんだけど、これから心染プロジェクトに参加しようとしている子もいると思うので、そういう子たちに卒業生としてのメッセージをいただきたいです。
高林:単純に人間としてのスキル向上にもなるのと、『出前授業』での子ども達とのふれあい、落語の本質的な良さを広めることが出来るプロジェクトだと思うので、興味があれば気後れせずに参加すると良いです。
竹内:あと『時うどん』はみんな覚えてねってとこかな(笑)。
高林:はい!あとは他の大学の人との仲良くなれるのは心染プロジェクトならではですよね。
田中:このプロジェクトからキンレイさんの商品を食べる機会も増えたと思うんだけど、今でも思い出して食べたりしている?
高林:この前、新商品の「寄せ鍋」を食べました。レンジでも調理できて画期的でした。どんどん便利になっていきますよね。
田中:ごはんのおかずにもなる商品だよね。
高林:これからキンレイさんに頼りっきりになる季節が来るので、冬に向けてストックします!最後に私からお二人に質問があるんですけど、勝手にコーナーを作っても良いですか?
竹内:ガラッと変わったね!?
田中:お金のこと以外、なんでもこい!
高林:では、お二人の好きなお饅頭は何ですか?
田中:変な質問だ(笑)。あ、それこそ映画「実りゆく」の舞台・長野にある「一二三屋まん十店」さんの饅頭は美味しかった!
竹内:そうそう。見た目はザ・饅頭なんだけど、これまでの饅頭の印象が変わるくらい。
高林:おお!食べてみたい。お二人は“お笑い第七世代”に含まれるんですか?
田中:どうなんだろう。でもその括りで番組に出演させてもらったこともあるから、ギリギリ入るのかな?
竹内:我々もよくわかってないんだよね(笑)。けど一応含まれるね。
高林:最後に。お二人が出演されている「実りゆく」を観て、とても感動しました。ロケ地が長野でしたが、長野での思い出があれば教えて下さい。
竹内:ロケ地が僕らの先輩芸人の実家だったんだけど、そこでお母さんがおでんを晩ごはんに出してくれて、そこに葱だれっていうのが一緒に出てきたんだけど、長野県民では常識なの?とにかく美味しくて。県民食だって聞いたんだけど。
田中:へえ。どんなの?僕がいない時かな?
竹内:葱を細かく切って、醤油とごま油なのかな?それがめっちゃくちゃ美味しくて。舞台挨拶の時にお客さんに聞いたら「当たり前ですけど??」って顔で頷いてて(笑)。葱だれはインパクトあったな。
田中:長野は食べ物が美味しかったね。野菜でもなんでも。あ、キンレイさんもロケ中に差し入れして下さってね。
高林:え、そうなんですか!?すごいですね。
竹内:温かかったね。丁度寒い時期だったから、熱々の出来立てが食べれて物凄く嬉しかったよ。
高林:劇中にお祭りがありましたが、あれはすべて実在するお祭りなんですか?
竹内:作中に登場するお祭りはないんだけど、実在する地元のお祭りを色々と掛け合わせて作ったお祭りなんだよね。
高林:なるほど。あの場面にはとっても引き込まれたので、強く印象に残っています!ありがとうございました。私からの質問は以上になります。
田中:本物のインタビュアーさんみたいだったね。
竹内:うん。目指せるんじゃないかな?
高林:ひとまず今のお仕事を頑張ります(笑)。本日は貴重なお時間ありがとうございました!
【高林美咲さん プロフィール】
・2019年に中央大学経済学部公共・環境経済学科を卒業。在学中は日本大学文理学部落語研究会に所属し活躍。現在はコールセンターにて活躍中
【インタビュアー:まんじゅう大帝国 略歴】
株式会社タイタン所属の漫才コンビ。2016年6月コンビ結成。
2017年4月デビュー。大学時代は互いに落語研究会に所属し、学生落語の全国大会で優秀な成績を残す。2017年4月に株式会社タイタンに所属しデビュー。フジテレビ系『ENGEIグランドスラムLIVE』『ネタパレ』などに出演し注目を集める。
【その他、受賞歴等】
・国立演芸場 令和元年度「花形演芸大賞」 銀賞受賞
・フジテレビ「ENGEIグランドスラム」「ネタパレ」
・WEB CM パイロットコーポレーション フリクション「ネタ帳」
・MV ゼスプリゴールドキウイ「アゲリシャス」
・TBSラジオ「マイナビラフターナイト」月間チャンピオン
(2017年6月/2018年11月)
・第3回未完成映画予告編大賞「MI-CAN男優賞」(竹内一希)
・2020年1月29日より、初のDVD「詰め合わせ」発売。
・2020年10月7日より、第一回単独公演DVD 「私の番です。たしかにね。」発売。
・竹内一希さん主演映画『実りゆく』が2020年10月9日(金)に新宿武蔵野館ほか
全国の上映館で公開。
・初の単行本『笑いの学校』が河出書房新社より12月中旬に発売
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