2014年に発足し、「和食“鍋焼うどん”」×「伝統芸能“落語”」の魅力を多くの方々に伝達していくことを目指した文化啓発活動である『キンレイ心染プロジェクト』の卒業生インタビューページです。
第十七回は日本大学芸術学部落語研究会(日芸落研)より心染プロジェクトに参加した、牧野玖美(まきの くみ)さんが登場。インタビュアーはキンレイ心染プロジェクト卒業後、プロの漫才コンビ「まんじゅう大帝国」として芸能事務所(株式会社タイタン)に所属し活躍している田中永真さん・竹内一希さんです。
竹内:今回は僕の1学年下の後輩で日芸落研では糖蜜庵(とうみつあん) ちまきとして活躍していた牧野玖美さんの登場です。
牧野:竹内さんに“さん”付けで呼ばれるって変な感じですね(笑)。
竹内:確かに。高座名で呼ぶこともなく“牧野!”って呼んでたな!
田中:第十回に登場した原ちゃんの先輩になるのかな?
牧野:そうです。あの子が私の1学年後輩になります。
田中:竹内、牧野さん、原ちゃんの順番だね。
竹内:牧野はどういう経緯で心染プロジェクトに参加したんだっけ?
牧野:竹内さんが誘ってくれたんじゃないですか!
竹内:あれ!?あ、そうか。参加して色々な活動があったと思うけど、一番覚えてる活動は?
牧野:「出前授業」ですかね。茨城県つくば市の中学校での「出前授業」はよく覚えています。東京都を飛び出して落語をするって機会は中々なかったので。
田中:おっ、この写真だね。
牧野:中学生に向けて、しかも会場が体育館だったので緊張しちゃって。物凄くスベッた記憶があります(笑)。
田中:そうなの?写真を見る限り楽しそうだけどなぁ。
竹内:生徒の記憶には残ってると思うよ。体育館で落語聴くなんて中々ない体験だろうし。中学生を相手に落語やってみてどうだった?
牧野:おじいちゃん、おばあちゃんとか高齢の方に向けて落語をやることが多かったんですけど、その時の感触とは全然違いますね。「もっと工夫して表現しなきゃいけないんだなぁ」ってことに気付きました。スピードとかテンポとかってその時の観客ごとに合わせなきゃいけないってこととか。
竹内:授業の後に給食は食べた?
牧野:食べました!懐かしさも相まって美味しかったです。
竹内:中学生とどんな話ししたの?
牧野:当時の中学生の流行りとか。落研入ったら楽しいよって話しましたかね。
田中:そろそろ、その時の生徒さんも大学生なんじゃない?
牧野:「出前授業」を覚えてたりして…。
田中:「出前授業」をきっかけに落研に入って、心染プロジェクトに参加してっていうサイクルが実現するのも、可能性としてはゼロじゃないもんね。その「出前授業」に参加したのは何年生の時?
牧野:大学3年生ですね。
田中:あ、じゃあ、その「出前授業」が終わってすぐに就活だ。
竹内:牧野はすぐに決まらなかったっけ?
牧野:いや、そんなことないです。4年生の秋くらいにやっと内定をもらいました。
田中:どんなお仕事をしているの?
牧野:テレビの番組制作会社です。主にバラエティー番組を制作しています。
田中:あ、そうなんだ。何社くらい受けたの?
牧野:5,6社だったと思います。狙って受けに行ったのが多かったので。
竹内:俺は0社!
田中:僕らが所属しているタイタンだけだね。
牧野:なんだかよくわからないですけど、めちゃくちゃかっこいいじゃないですか!
田中:これまでの16人の卒業生から話を聞いてきたけど、5,6社って少ない方なのかも。
牧野:そうですよね。運良く本命だった今の会社に受かってよかったです。
竹内:でも、牧野は学生落語の全国大会「策伝大賞」のチャンピオンじゃない。学生落語日本一の称号は就活に活かせたんじゃない?
牧野:いや、私が優勝したのは卒業間際の4年生の冬だったので…。
竹内:あ!間に合わなかったのか!
田中:惜しい!
牧野:3年生の時に優勝できてたら、また違った道があったかもしれませんね。今の会社が良いとか悪いとかではないですけど。
田中:“日本一”ってやっぱりインパクトあるよね。チャンピオンから優勝するためのアドバイスとかある?
牧野:え!難しい質問ですね!あ、でも竹内さんがくれたアドバイスで「決勝戦の本番の前に1回、舞台を見ておいた方が良い」っていうのは参考になりました。
竹内:それは僕も先輩に教わったやつ。丸っと横流し(笑)。
牧野:そうなんですね。でも、そのおかげかもしれません。
竹内:“竹内さんのおかげで優勝したんだね”?
牧野:ん?まあ、そうですね…。
竹内:よしよし!今はどういう仕事ぶりなの?
牧野:まだまだADなので、裏方でネタ(演出)を仕込んだりしています。
田中:心染プロジェクトや落研での経験は活かせているの?
牧野:1回番組で落語やったことあります。
田中:それはO.Aされたの!?
牧野:はい。地上波とかではないんですけど。
田中:すごいじゃん。社会人として苦労していることとかある?
牧野:単純にミスが多いです。タスクが抜けちゃって。
竹内:タスク?タスクって何?
牧野:タスクっていうのは…。
田中:偉い。竹内はこういうところで聞き流さずに聞くのは偉いよ。牧野さん教えてあげて。
牧野:その日にやらないといけないことです。
竹内:目標ってこと?
牧野:いや必ずやらないといけないことです。
竹内:そうなんだ!タスクっていうんだね!!
田中:近い将来、牧野さんと一緒に仕事ができる日も来るんじゃない?
牧野:お二人の名前は良く企画会議で上がりますよ!
田中:そうなの!?仕事で繋がれたら面白いよなぁ。落語とかは昔から好きだったの?そもそも、何で落研に入ったの?
牧野:漫才とかコントをやってみたくて落研に入ったんですけど、まさか4年間落語漬けになるとは・・・。私が大学に入学した時は竹内さんが新入生の勧誘をしていて…。
竹内:そうそう。牧野は特に何も聞かずに「入る!」としか言わなかったよ。「一回ほかのサークルも見てみたら?」って言ったけど次の日また来て…。
牧野:落語を初めて聴いたのは新入生向けに竹内さんが落語を見せてくれた時ですね。あの『道具屋』です。
竹内:あ、地獄の『道具屋』か!
田中:地獄の『道具屋』?なにそれ?
竹内:僕が新入生に見本で『道具屋』って落語を見せて、その後に「こういう風に稽古をするよ」っていうので、当時の先輩たちが僕に稽古をつけるんだけど、そこで罵詈雑言が飛び交って(笑)。一年生のお手本をやったのに先輩から「辞めろ!」って言われて。
田中:やっぱり日芸落研は変なところだな!でも、牧野さんは4年間続けたんだもんね。
牧野:はい。恐いのは稽古の時だけで、部員の仲は良かったので。
田中:メリハリがある落研だったってことかな。一番好きな落語はなに?4年間やってきた中で。
牧野:それこそ心染プロジェクトの「出前授業」でもやった『本膳』ですかね。初めて日芸落研の稽古で褒めてもらった落語です。自分で色々工夫した演出が上手くいったので。
田中:キンレイ心染プロジェクトや日芸落研で色んな経験を積んできた、牧野さんから心染プロジェクト参加している現役生や今後参加するであろう後輩たちに伝えられることがあればお願いします。
牧野:今は新型コロナウイルスの影響で思うように活動できなくて歯がゆい思いをしている人がたくさんいると思いますが、リモート配信を活用して乗り切って欲しいですね。
竹内:家からでも落語を色んな人に届けられるようにはなっているからね。
牧野:はい。ただ映像だと伝わり切らないこともたくさんあるので、工夫は必要ですね。で
も、それこそ今年(2020年)の8月にあった「落研の夏フェス2020」は良い感じでしたよ。
竹内:そうそう!あれ?あの時の「OB寄席」に牧野は出てないっけ?
牧野:お誘いは受けていたんですけど、急遽仕事が入ってしまって出れなかったんです!今後も配信で出演できる機会があれば、ぜひ出演させてください!
田中:心染プロジェクトの卒業生がみんな共演できたら面白いかも。このプロジェクトでキンレイさんの商品も知ったと思うんだけど、今でも食べてる?
牧野:食べてますよ。うどんの商品も美味しいんですけど、最近はラーメン商品にハマっています!特に「横浜家系ラーメン」は「お店の味じゃん!」ってびっくりしました。あと、ずっと好きなのは「ラーメン横綱」ですね!
田中:新商品の「鍋」シリーズは?
牧野:あ!食べました。近くのスーパーに売ってたので。「旨辛味噌鍋」はお酒と相性抜群でした。
竹内:あれは晩酌にもってこいだよね。
牧野:「寄せ鍋」もヘルシーですけど、うどんが入っているので食べ応えがあって。これからの新商品も追っかけます!楽しみにしています!
【牧野玖美さん プロフィール】
・2018年に日本大学芸術部 放送学科を卒業。
第15回全日本学生落語選手権『策伝大賞』(2018年)
にて最優秀大賞を受賞。現在はTV制作会社にて活躍中。
【インタビュアー:まんじゅう大帝国 略歴】
株式会社タイタン所属の漫才コンビ。2016年6月コンビ結成。
2017年4月デビュー。大学時代は互いに落語研究会に所属し、学生落語の全国大会で優秀な成績を残す。2017年4月に株式会社タイタンに所属しデビュー。フジテレビ系『ENGEIグランドスラムLIVE』『ネタパレ』などに出演し注目を集める。
【その他、受賞歴等】
・国立演芸場 令和元年度「花形演芸大賞」 銀賞受賞
・フジテレビ「ENGEIグランドスラム」「ネタパレ」
・WEB CM パイロットコーポレーション フリクション「ネタ帳」
・MV ゼスプリゴールドキウイ「アゲリシャス」
・TBSラジオ「マイナビラフターナイト」月間チャンピオン
(2017年6月/2018年11月)
・第3回未完成映画予告編大賞「MI-CAN男優賞」(竹内一希)
・2020年1月29日より、初のDVD「詰め合わせ」発売。
・2020年10月7日より、第一回単独公演DVD 「私の番です。たしかにね。」発売。
・竹内一希さん主演映画『実りゆく』が2020年10月9日(金)に新宿武蔵野館ほか
全国の上映館で公開。
・初の単行本『笑いの学校』が河出書房新社より12月中旬に発売。
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